自然派思考の人も化学に目を背けない方がいいと思う

移住の仕事をしていると、自然派思考の方と接する機会が多くなります。無農薬有機栽培などの安心安全な食品を求める人、化学物質を使っていない日用品を選ぶ人。どこまで徹底するかは人それぞれですが、この自然派思考は20〜40代の移住者には主流といえる価値観です。ヴィーガンやマクロビオティックといった話もよくでてきます。



私も特に子どもが生まれてからは、子ども達には安心安全なものを食べさせたいなと思います。だからその価値観はよくわかる。けど過剰な自然派思考は自分のためのはずなのに、自分を苦しめてしまってたりすることもしばしば。

友達と一緒に外食できなかったり、子どもが保育園で食べるお菓子にストレスを感じてしまったり。健康のための選択のはずが、健康の天敵であるストレスを呼び込むきっかけになっている。こうなると見てて辛い。

自然志向だからこそわかる自然の怖さ

そもそもなぜ農薬や防腐剤、消毒といった化学物質が使われるようになったのか。その一番の理由は、自然の力が凄まじすたからではないでしょうか。野菜を普通に育てていたら、あっという間に虫にやられて収量が激減してしまう。これじゃみんなに食べ物が行き渡らない。虫をなんとかしなければ。。

また、生産した食料もすぐ食べないと傷んでしまう。食中毒なんかでたらヘタすりゃ大勢の命を奪う。でも遠くにいる人はすぐには食べられない。なんとか細菌やカビを抑えなければ。。

そんな自然の恐ろしさに対抗すべく、人を守るために人の努力が生みだしたものが化学。そう理解すると、化学も悪くないと思えるのではないでしょうか。もちろん、今は安全というよりコスト削減や利益のために化学物質を使っている部分は大いにあると思います。けどそれは使い方の問題で、化学を否定するものではない。

リスクは確率

私はリスクとは確率だと考えています。化学物質に潜む発がん等のリスク。化学物質を使わない食中毒等のリスク。どちらのリスクをとるかはその人の選択ですが、身体の健康という視点でみると、どちらの選択も(適切に扱えば)確率的には大差無いのかもしれません。個人的には化学物質のリスクの方が低いかな、というのがホンネです。それほどに自然は強い。

でも健康は心と体。心の部分をそこに加えるとちょっと変わってきて、化学物質を排除した方が安心できるならそれが健康的ですし、化学物質使ってる方が安いし家計が助かると思うなら、それもまた健康的だと言えます。

どちらにしても、一番の敵は人が感じる過度なストレスかもしれませんね。



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