移住促進の限界とこれからのあり方



移住業界にもアートな視点が必要なのかもしれません。

都市部で開催される移住相談会に参加しはじめて5年になります。参加し始めた当初はどの自治体も試行錯誤で、いい事例があればどんどん真似していくような感じでしたが、今はどの自治体も完成度が高く、正直もう、どの自治体を選んでもサポート体制は大差無いんだろうなと感じます。

もちろんNPOがある自治体の方がフォローは手厚いぞ!という自負はありますし、今よりもっとできることはたくさんありますが、それでも移住促進は成熟したなと感じています。多数の移住相談データを元に計画をたて、多数の成功事例を元に行動していく。市町村はそこまでやってなくても、県レベルではやっていて、それをベースに各市町村が動いています。

ここまでくると移住者に来てもらうためには、他の自治体より先に相談にのるか、各種補助金を出して優位性確保したり、地域おこし協力隊のような直接雇用を提示して差をつけるくらいしかない印象です。

良い意味で移住が人生の選択肢の1つとなり、その受け皿となる自治体も体制が整ったからこそ感じる課題ですね。

これからの移住促進の可能性

ではこれから移住促進に取り組む自治体は何をすべきか。空き家リノベの充実、起業や女性の仕事環境の充実、子育てや教育の充実などなど、いろいろ思い浮かびます。

でも個人的には、「地域の夢を語ること」がもっと必要なのだと感じました。

専門的なマーケティングではなく、移住希望者がワクワクするような夢やビジョンを掲げて、この地域に移住したら楽しそう!って思ってもらうような、一緒に地域活動に参加したくなるような。そんななことがもっと必要なんだろうなと。

というのも、少し前に読んだ「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」に書かれていたアートの必要性を移住業務にも感じたからでした。安直です。でも本は読んだらすぐ実践!です。

どの業種にも参考になる本です。管理的な立場の方はぜひご一読を。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)

感性豊かな人を巻き込んで、みんながワクワクするような夢を描いて移住者を増やして、素敵な田舎をいっぱい増やしていきましょーう。





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